Thursday 30 September 2010

あいちトリエンナーレ雑記








あいちトリエンナーレに行ってきました。 
愛知には住んでいたのですが、そういえば、現代美術のトリエンナーレが開催されるとなって、今更ですが、愛知には現代美術の中心的存在がなかったのだと思いました。ひさしぶりに行った名古屋市美術館がとても小さく感じられました。 

愛知芸術文化センターは、何フロアにもわたり、展示が展開していて、みどころタップリ。あと、都市のまとまった場所に作品が点在しています。 

おなじく、3年に1回、今年から開催されている瀬戸内国際芸術祭に比較して、パフォーマンス、映像系の作品が多いことが特徴でしょうか。 

廃墟ビルなどを利用した作品展示は、島の廃屋を利用した作品展示と似通った点などがあるのですが、私が感じたのは、個人の記憶の集積した場所である家屋を使用したインスタレーション展示よりも、ビルなどの商業的建築物の中に展示するほうが、展示の際に作家が介入しやすいという点です。同じ理由から、鑑賞する側は「家屋」での作品鑑賞において、より、個人的な体験をすることになると思うので、作品鑑賞の機会としては、恵まれているように思います。どちらが優れている、とかではなく。 

そして、おなじ作品を展示したとしても、「都市」におけるほうが「島々」で展示するよりも、欠点が目立ちにくいような感想を持ちました。 
おそらくそれは、都市やビルという人工物の中で、「アート」という人工物を鑑賞することと、島々の自然の中で、「アート」という人工物を鑑賞する際の違いのようなものだと思います。 

ある美術評論家が、瀬戸内国際芸術祭を訪れて、(その方は、あいちトリエンナーレと比べて、瀬戸内の芸術祭の素晴らしさを語っていましたが)、いちばん、美しいのは、作品よりも瀬戸内の島々だ、とおっしゃっているのを耳にする機会がありました。 
瀬戸内では、島々とアートが別々のものではなくて、両者合わせて体験するときに、その感動は倍増すると思うのです。 







あと、あいちで聞くところによると、ボランティアスタッフが、1日に100人ほど!いらっしゃるのですって。さすが、大都市。街のいろいろな箇所に作品が点在しているのですが、道を丁寧に教えてくれるボランティアの方々も、たくさんいらっしゃるので、安心して回ることができます。 あと、パスポート提示で無料で乗せてもらえるベロタクシーは楽しいです。。

瀬戸内国際芸術祭は規模(海を含めた面積。。)が、世界一大きいアートイベントでありながら、1日にお手伝いしているボランティアスタッフは、30~60人でしょうか?かなり、ぎりぎりのところを頑張っていますので、(最近、手伝いに行けてなくてごめんなさい。。) 大都市はいいなあ、と思わずにいられませんでした。愛知のトリエンナーレが、香川の芸術祭が、より、地元に根ざしているという比較は、ここでは無意味に思われました。どちらも、一生懸命にサポートするボランティアメンバーたちの姿を目にしました。ただ、名古屋と高松における人口の差によるボランティア有志の数の差は明らかでした。








Monday 29 March 2010

Itadakisan Art Go



こんなんなりました。

大変、楽しかったです。

そして、色々と勉強になりました。


夜には雷雨のお天気模様。

寒空の下、体調を崩されないように。


来てくれた方

たまたまとおりすがりの方

AM講座の方

ボランティアの方

バイトの方

スタッフの方


皆様、お疲れ様でした。









Saturday 27 March 2010

いただきさん アート ゴー

3月27日(土)・28日(日) 


10:00-18:00


トキワ街、南新町に、高松の伝統的魚の行商人、いただきさんをモチーフにした 

アート号たちが活躍します。 


参加アーティスト 

内原弘文 : 昭和のめがね号 

キミゴン  : GET CYCLE 

山端篤史 : 今日も大漁号 

土井桂一 : おはしをつくって、いただきます 

プシプシーナ : 占いCAFE猫山号 

ルカ・ローマ  : Puzzle Acquario 

カミイケタクヤ+豆花 : ゴーゴーマメハナ号 

柳生忠平+柳生照美 : 人面紙芝居号 

中田漆木+石州流土居宗美社中 : うるし号 



バルーンアーティストたちによるパフォーマンスや、



高松工芸高校の生徒さんの、 巨大ハマチを制作するプロジェクトもあり。 



そしてそして、 

明日は、 

ビッグ・バン・マルシェ

きむらとしろうじんじんさんの野点(新生銀行前) 

ログスギャラリーワークショップ(高松市美術館) 


と、イベントがもりだくさん~ 


ぜひぜひ、商店街に遊びに来てね。 


んでもって、 

塩江アートプロジェクト 絵描鬼 柳生忠平展 

この、日曜日までですよー!!! 
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/5041.html 





年度末に、いろいろと、重なりすぎです。。

Saturday 27 February 2010

定義 Definition

きのうの英会話の時間。 
初めて参加される方がいらっしゃったので、自己紹介を英語でしていると、 
軽い違和感をおぼえた。 

日本語を英語に直訳しようとするのも難しいし、 
和製英語にとらわれると、意味が変わってきたりする。 

日本語で便利なことばや言い回しを、そのまま、外国語で探すのは難しいので、 
言い方を変えて、なるべく伝わるように工夫しなくてはいけない。 


ことばや文化の全く異なる人たちと、コミュニケーションをして、 
分かり合えた時は、かなり嬉しいものだけど、 
逆に同じ日本人や、生活環境にあるために、 
「それわかるでしょう?」と、努力せずに伝えようとされると困る・・・ 


ひとつのことばをとっても、その人にとってのその言葉の認識と 
私のその言葉への認識っていうのは違うので、 
その前提をすっとばして、 
「それは、あれだから、これでしょう」 
の、「それ」が違うので、話がすすまない~ 
と、仕事でコミュニケーションしていると、切に思う。




ちなみに、英会話の時は 

I work in a art museum. 
I've studied art and I love art. 

と言ったものの、 
英語で言う 

I love art 

と 

日本語で言う 
アイラブ アート 

って、かなり意味合いが違うよな~、と自己紹介しながら 

I love art, but I don't love アート 

と思った。 

「アート」っていうカタカナには、すごく微妙な感情を持ってる。 
「アート」の定義は、人によってまったく違うし 
私も、何ヶ月か後には、まったく違ってるかもしれない。 


ことばというのは、すごく流動的で、そこがまた、面白いのだけど。

Monday 22 February 2010

Fish or Bird ?

誕生日の次の日。 


1人の女の子に、鳥に例えられました。  
 「魚座なので、魚の絵を描こうと思いましたが、こずえさんは鳥のようです」 
と、素敵な鳥の絵をいただきました。 


高校の恩師の奥さんに、魚に例えられました。 
 「こずえちゃんは、マグロみたいやな~。 
  動いてないと、死ぬみたいに、いろいろ活動しよるな」 


それから、また同じ夜に、きっぷのよい姉さんに、 
 「こずえは、猛禽類やな。食物連鎖の一番上のところの」 
と言われました。 


と、はからずも 

三人の女子から、 同じ日に、 

鳥だの、魚だの言われたのが、面白かった。 


とりあえず、前厄です。 


厄除け情報求む。

Tuesday 12 January 2010

ねこ写

休日のため、ねこと記念撮影。


ネコ迷惑。


雨の中、出ていった。




Photo with my cat, cause I have a day off today.


I bothered him.


He went out in the rain,


but it doesn't raining dogs and cat.




Sacaba foto de mi gato por tener el dia libre.


Despues de llegar el gato blanco, toda mi familia esta feliz.


El gato estaba abandonado, antes de encontrarme.





Thursday 7 January 2010

街の中のアート

美術館には限られた人しか訪れない。
開かれたスペースであれば、美術に興味のない人の目をひくことができる。

では、街中でアートをやるってことはどういうことなんだろう。街中でなくとも、新潟の越後妻有大地の芸術祭や、徳島県の神山町におけるアーティスト・イン・レジデンスの例や、今年初めて開催される瀬戸内国際芸術祭のように、田舎や島、山間部で行われるアートイベントの意味。



個人的に考えているのは、西欧の概念であった「美術」が、明治に日本に輸入され、その中で、日本語に翻訳されている過程の延長から抜け出ようとしているのではないかということです。それはもちろん、日本だけに起こったことではなく、西欧から概念が輸入された諸国において、すべて当てはまるのかもしれません。西欧の植民地主義においては、西欧の文化的・産業的概念を基準として、その他の国々を未開の地として扱い、「先進国」として他国を支配しました。その西欧の文化的概念のひとつとして、「西欧芸術」の概念があるわけです。その尺度を、翻訳文化として、言語も十分に理解できないまま、他国が学び、吸収し、そして、発展させる時期なのだろうと考えます。


美術の動向の中で、過去には、多文化主義と呼ばれるものがありました。1989年、パリのポンピドゥーセンターで開催された「大地の魔術師たち展」などは、多文化主義を紹介されるための転換点として知られていますが、松井みどりが『Art in new world』の中で指摘しているように、その紹介の方法はまだ、他国(日本も含め)のアーティストを、"大地の魔術師たち”というプリミティブな存在として紹介していたのです。それがちょうど、20年前のこと。そして、今は本当の多文化主義を経ているのか、まだその中途にいるのか。


一方、パブリックなスペースにおけるアートが、その市民権を得ている現在、美術館とパブリック・アートにおける、観衆にアートを見せる役割の差異や、各美術館の差異などの、勉強と実践をしています。


なんて、ぶつぶつ書いてますが、 
とりあえず、 理屈抜きで感動した、街中のオペラパフォーマンスをご紹介。
スペイン在住の友人より教えてもらったバルセロナの市場でゲリラオペラの映像です。 


ぜひ、ご視聴くださいませ。 








このゲリラ・パフォーマンスの最後の方に、プラカードを持った女性が登場します。
そこにはスペイン語で書かれています。
¿Ves como te gusta la opera?
「あなた、とってもオペラが好きなんでしょう?」
このゲリラ・パフォーマンスは、「椿姫」のオペラ公演の宣伝であることが最後にわかります。





その場にいた人々の中には、「なんだ、広告か」、と思った人もいるかもしれません。
「市場に買い物に来ただけなのに、迷惑だな」、と思った人もいるかもしれません。
私たちの見た記録映像自体が、周到にビデオカメラを設置され、感動している人々の顔を上手に映し出し、編集されているものです。





しかし、このオペラパフォーマンスの素晴らしい。日常的な市場の風景の中に、確実なオペラというテクニックを持ったアーティストたちの介入。そして、驚きは、ゲリラ的趣向によって倍増されています。このゲリラ感がたまらなく面白い。そして、観衆を圧倒する。この場合の観衆は、予期せず観衆となってしまった人たちです。予期、すなわち、ある芸術作品(この場合、オペラ)を見るという心の準備がない場合、その感動が倍増します。それは、誕生日のサプライズ・パーティーのように、やはり、大きく心を動かすのでしょう。


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