あいちトリエンナーレに行ってきました。
愛知には住んでいたのですが、そういえば、現代美術のトリエンナーレが開催されるとなって、今更ですが、愛知には現代美術の中心的存在がなかったのだと思いました。ひさしぶりに行った名古屋市美術館がとても小さく感じられました。
愛知芸術文化センターは、何フロアにもわたり、展示が展開していて、みどころタップリ。あと、都市のまとまった場所に作品が点在しています。
おなじく、3年に1回、今年から開催されている瀬戸内国際芸術祭に比較して、パフォーマンス、映像系の作品が多いことが特徴でしょうか。
廃墟ビルなどを利用した作品展示は、島の廃屋を利用した作品展示と似通った点などがあるのですが、私が感じたのは、個人の記憶の集積した場所である家屋を使用したインスタレーション展示よりも、ビルなどの商業的建築物の中に展示するほうが、展示の際に作家が介入しやすいという点です。同じ理由から、鑑賞する側は「家屋」での作品鑑賞において、より、個人的な体験をすることになると思うので、作品鑑賞の機会としては、恵まれているように思います。どちらが優れている、とかではなく。
そして、おなじ作品を展示したとしても、「都市」におけるほうが「島々」で展示するよりも、欠点が目立ちにくいような感想を持ちました。
おそらくそれは、都市やビルという人工物の中で、「アート」という人工物を鑑賞することと、島々の自然の中で、「アート」という人工物を鑑賞する際の違いのようなものだと思います。
ある美術評論家が、瀬戸内国際芸術祭を訪れて、(その方は、あいちトリエンナーレと比べて、瀬戸内の芸術祭の素晴らしさを語っていましたが)、いちばん、美しいのは、作品よりも瀬戸内の島々だ、とおっしゃっているのを耳にする機会がありました。
瀬戸内では、島々とアートが別々のものではなくて、両者合わせて体験するときに、その感動は倍増すると思うのです。
あと、あいちで聞くところによると、ボランティアスタッフが、1日に100人ほど!いらっしゃるのですって。さすが、大都市。街のいろいろな箇所に作品が点在しているのですが、道を丁寧に教えてくれるボランティアの方々も、たくさんいらっしゃるので、安心して回ることができます。 あと、パスポート提示で無料で乗せてもらえるベロタクシーは楽しいです。。
瀬戸内国際芸術祭は規模(海を含めた面積。。)が、世界一大きいアートイベントでありながら、1日にお手伝いしているボランティアスタッフは、30~60人でしょうか?かなり、ぎりぎりのところを頑張っていますので、(最近、手伝いに行けてなくてごめんなさい。。) 大都市はいいなあ、と思わずにいられませんでした。愛知のトリエンナーレが、香川の芸術祭が、より、地元に根ざしているという比較は、ここでは無意味に思われました。どちらも、一生懸命にサポートするボランティアメンバーたちの姿を目にしました。ただ、名古屋と高松における人口の差によるボランティア有志の数の差は明らかでした。