BUS 174 2002年 ブラジル JOSE PADILHA
2000年にブラジルに起こったバスジャック事件の実際の映像を元にしたドキュメント映画。
人質が一人亡くなった事件だというのに、報道陣がここまで至近距離に近づいて、映像を撮影していることが驚き。
犯行に及んだのは、当時20歳だった、ストレート・チルドレン出身の若者。
母子家庭で育った幼少の頃、強盗に母親を殺されるのを目撃する。
その後、ストレート・チルドレンとして生きる。1993年、リオ・デ・ジャネイロのカンデラリア教会に暮らしていたストリート・チルドレンたちを、警官たちが虐殺したとき、彼もそこに暮らしていた。友人たちを失った。
バス・ジャック事件の人質たちは、「彼は私たちを殺すつもりはなかった」と証言している。
亡くなった人質の女性が発砲される直前に、犯人は、警官に発砲されたが、その弾は彼に当たらなかった。亡くなった女性の背中には犯人による3発の銃弾、頭部には警官による1発の銃弾が発見された。
この発砲を機に、犯人は取り押さえられ、数人の警官とともにパトカーで連行、その途中で 「あまりにさわぐので、気絶させようとした」 警官によって絞殺された。この警官たちは、罪にとがめられることはなかった。
犯人が警官に捕まえられたとき、至近距離にいた群衆たちは、パトカーとバスに怒涛の勢いで近寄り、彼をその場で殺すように大声で駆り立てた。事件の「観客」たちは、この騒動が、犯人の死で締めくくられることを望んだ。
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